コールセンターが抱える課題と対応策について
コールセンターは顧客の満足度向上や商品・サービスの成約につなげる役割を持ちますが、対応品質向上のため、現在さまざまな企業でコールセンター業務のアウトソーシング化が進んでいます。
一方で、コールセンター導入を検討しているが、「具体的な課題がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、一般的にコールセンターが抱えている課題とその解決策について解説していきます。
正しい課題設定のためには、理想とするコールセンターのイメージを明確にする必要があります。コールセンターの役割を正しく理解し、どのようなコールセンターを作り上げていくべきか検討しましょう。
【目次】
・コールセンターのよくある課題とは?
・コールセンターの課題への対応策とは?
・まとめ
【 コールセンターのよくある課題とは? 】
コールセンター運営において大切なのは「人材の確保」です。
コールセンターを運営する事業者にとって、人材に関する悩みは多くの割合を占めています。
ここでは、コールセンターにありがちな課題を詳しく解説します。
・人材の確保・採用
コールセンター事業者にとって、人材確保は非常に重要な課題です。
業務が増えても人材不足に陥ってしまうと既存の社員に業務のしわ寄せが起きてしまい、社員の定着率にも影響します。
適正な人員数を把握し、オペレーター1人あたりの業務生産性を正しく管理することが必要となります。
・オペレーターの育成
オペレーターの育成はコールセンター事業の要となります。オペレーターの成長を個人努力に委ねるだけでは、オペレーターの応対品質に大きな差が生じてしまいます。
組織としての対応力を高めるため、オペレーター間の応対品質の差をなくしていきましょう。
日常の情報共有やマニュアル作成などの仕組みを作ることで、組織全体としての対応品質を保つことができます。
・電話がつながりにくい・放棄呼が出てしまう
コールセンター事業で最も避けなければならないのは、電話がつながりにくい状態です。
オペレーターに繋がる前に顧客が切断したり、コールが集中したときにシステムによって切断されてしまう「放棄呼」が発生するケースもあります。
放棄呼は、コールセンターにおいてつながりやすさを表す指標として重要視されています。
放棄呼が発生すると顧客から「つながらないコールセンター」と思われ、不満増加につながってしまいます。
【 コールセンターの課題への対応策とは? 】
人材の採用と確保・育成・放棄呼と、このようにコールセンターを運営する上で数多くの課題があります。
それらの課題をどのように解決していくことができるのか、コールセンターの課題解決方法を解説します。
・現状課題の洗い出し
「放棄呼が多く応答率を改善したい」「総コストに対する人件費率を10%下げたい」「オペレーターの離職率を下げたい」など、まずは現状の課題を具体的に洗い出しましょう。
より客観的に調査をするのであれば、外部のコンサルタントや調査会社に依頼するのも有効です。
・方針(優先順位)を決める
課題をすべて出したら、課題に優先順位をつけます。
例えば、クレーム発生に繋がるような課題は、最優先で対処すべき課題といえます。
クレームは通話時間が長くなりがちで、放棄呼増につながります。
また、特に意識して取り組むべき課題は、“緊急度が低いが重要度が高い”課題です。
例えば、「マニュアルの整備」「SVの研修」など、必要性があるもののつい後回しにしてしまいがちな課題こそ、優先的に取り組むことで組織としての成長に繋がります。
・課題解決に着手する
課題と優先順位を決めたら、ゴールと計画を立てて実行します。
その際、具体的なゴールと期間を明確に決めて、逆算して計画を立てることが大切です。
その上で、進捗状況の確認・問題が生じた場合の調整を含めて、定例会議を開催するなど、PDCAを回していくようにしましょう。
(PDCAとは? Plan: 計画、Do 実行、Check 確認、Action 見直し)
以下、課題解決に役立つ具体的な方法を紹介します。
・アウトソーシング
アウトソーシングとは、いわゆる外部企業への外注化を指します。
自社の人材不足が深刻な場合は、業務の一部をアウトソーシングすることで、業務負荷を軽減することが可能です。
コールセンターを自社で運営するよりもアウトソーシングしたほうが、 企業にとってのリスクが回避できるうえに、費用対効果(かけた費用に対して得られる効果)が格段に上がるということがいえます。
アウトソーシングを提供する企業には、得意とする領域がそれぞれ異なるため、まずは自社内で課題や導入の目的などを整理し、アウトソーシングすべき業務範囲を決めた上で委託先を選定し、相談をしてみましょう。
・人材派遣
人材派遣は、人材派遣会社に登録している人材を派遣社員として受け入れる方法です。
人材派遣会社に必要な人数・期間・任せたい業務を相談することで、見合った人材を派遣してくれます。
なお派遣の場合はスタッフに業務の指揮命令を直接できないため、業務内容については派遣会社の担当者と相談の上決めて行く必要があります。
・チャットボットやIVRの導入
チャットボットとは、人間に代わりプログラムによって自動応答するサービスです。
あらかじめ設定されたリストから質問を選ぶだけでチャットボットが自動で返答します。
少し前までは単純な回答しかできませんでしたが、近年AI技術が目覚ましく進化を遂げており、現在ではより複雑な内容でも自然な返答を行えます。
IVR(Interactive Voice Response)とは、音声案内によって自動で応答するシステムのことです。
音声ガイダンスや、目的に応じた番号入力の案内を流し、対応するオペレーターに電話を振り分ける仕組みです。
オペレーター電話の内容をある程度事前に把握できるため、負担軽減にも繋がります。
ただし、顧客側はガイダンスに沿って番号を入力していかなければならないため、不満を感じやすくなるといったデメリットがあります。
【 まとめ 】
本記事では、コールセンター運営における課題・課題解決の手順・具体的な課題解決方法を解説しました。
企業として業務効率化を図り、生産性高く事業を動かすためには、自社の人材がやるべきことを見極め、それ以外の部分はアウトソーシングやITツール活用による自動化を図ることが重要です。
どういったサービスを導入すべきかお悩みの方や、そもそも自社はどのような課題を解決すべきかわからないとお考えの方は、専門企業に相談することもおすすめです。
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